日本を元気にする方程式 2003.10バージョン

はじめに

「日本を元気にする方程式」は、9.11の起こった年、2001年にIT企画会社で「癒し」について概念を整理していたときに思いつき書き留めたものです。その後2003年に加筆しました。当時から事業の形は変化してきましたが、アイデアイーストの基本的な指向性は変わっておりません。
いささか古い文章なので、今行っていないボツ企画のことも書かれていますが、敢えて、2003年10月バージョンをそのまま掲載いたします。


日本を元気にする方程式 2003.10バージョン


日本を元気にする計算式

今の日本を表す言葉の一つに「個の時代」がある。しかし、実際は「孤の時代」だ。

地域コミュニティや、職域でのコミュニティは崩壊し、家庭内でもコミュニケーションがうまくいかず、「孤の時代」というより「引きこもり時代」と言った方がいいかも知れない。
ITやリストラなど、様々な活動の効率化の中で、人の営みや、ちょっとした手間を惜しまない心遣いなどを切り捨て、経済社会の血液である「お金」が、流れなくなったり、ある場所に滞ったりしている。
そして、目先の効率化を中心とした考え方は、同時に、人としての尊厳をも奪い、人を人とも思わないマーケティング手法は、人の心を壊し、結果として人と人との間に不信感を植え付け、「孤の時代」を加速化させている。

2001年の春ごろ「癒し」のプロジェクトに携わる中で、10年後に、日本の中のヒトの10%が、やる気を回復できればとの発想を得た。 10%の人の意識が変われば、その社会の様子は一変するだろう。
10%の人が元気になり、自分のための投資を毎月1万円増やし、人との交流に費やす費用を毎月1万円増やしたとする。これを日本の人口の、10%(12,749,000人 2001年現在)が行うと、年間約3兆円の直接的な経済効果となる。

そこで、目標達成のための到達速度を計算した。人一人が、別の一人にやる気を回復させる。そして、やる気が回復した人がまた別の誰かの元気を回復させることを、10年間に19-20回成功させれば、日本の人口の10%(12,749,000人)に到達する。つまり、半年に一人、やる気を回復させ、元気が回復した人が、また別の人の元気を回復させれば、10年後には、日本の人口の10%に到達するという単純計算である。
決して計算どおりにはいかないとしても、実にゆっくりとしたスピードで、達成か可能である。しかし、とにかく、続けなければ達成はできない。

だが、個人の意識を変えたとしても、疲弊した社会のしくみが、人の元気を奪う。
社会のしくみは、多くのプロセスを得て作られたもの。個人の力で、変えてしまう事は極めて困難である。
このあたりは、いま、自分たちの手で出来ることから行うことで、小さな成功を重ねていくしかない。

まだまだ、 課題も多く、一人で出来ることの限界もある。
ましては、まだ思い立ってから2年しか経っていない。

今は、いくつもの、日本を元気にする小さな企画を立てている。
どうなることやら、乞うご期待。


【コメント】書いた当時、あまり意識していなかったのですが、2001年からの10年後の2011年は、日本では地上波アナログ放送が終了し、既存のスタイルのテレビメディアが終焉を終える年であり、マヤ歴の最後の年でもある。日本が、そして、世界が変わる時期なんでしょうね。
マエキタミヤコさんが、「30日で・・・」ということを、講演などでよくされているのと似ている面がありますが。こちらの方が300倍以上スローです。


コミュニティのサポート 

サークルなどの自主的な活動や、ボランティア団体などの、コミュニティの運営をサポート。
ものごとを行うときの、プロジェクトチームの作り方から、継続的な運営方法、そして解散の仕方などをサポートし、小さな成功の実現を支援する。

また、明確な目的を持たない、しがらみの少ない、コミュニティの作り方も研究中。
これは、地域コミュニティが崩壊した中で、今必要なコミュニティ形態である。
しがらみの少ない小さなコミュニティを複数持つことは、自分にとって本当な大切だと思う人の明確化に繋がり、これは、閉塞化した社会から、信頼社会にシフトするために不可欠なことである。

メーリングリストのオフ会等の、小さなプロジェクトへの中心的な参加を通じ、小さな経験を積み重ね、小さなコミュニティのコアになる人材を育成する。


ビジネスコンサルティング

私の捉えているビジネスとは、会社経営だけでなく、ボランティア団体、NPO、NGO、自治会、プロジェクトチーム、任意団体など、様々な組織の経営のことを意味している。
閉塞化した社会だからこそ、ビジネスの円滑化が必要。単独でのカウンセリングのほか、会議のファシリテーションやブレーンストーミングへも参加するなどで対応。
IDEAEASTは、アイデアと気づきを与えることで、支援してゆきます。


情報発信

ニュースリリースによるマスコミ対策、Web、出版物、イベントなどを通し、既存のマスコミに頼らない情報発信や、既存のマスコミを利用した情報発信など、手段を選ばず、情報発信をする。
そして、アートなど、表現活動や、「自分たちでやる」という事を情報発信を通して支援してゆきます。
情報発信支援システム企画も進行中。乞うご期待。


モノの流れを変える

既存の流通は、棚やスペース争いの思惑の中で、消費者が欲している商品が並ばないという事態が発生している。
そこで、自分たちのほしいものが手に入りやすくなったり。自分の信頼している人たちや、自分たちが応援したいと思っている人々が、適正な利益を得られるような流通形態を目指している。
おそらく、このあたりが、21世紀型のビジネスモデルの一つの基本となると予想している。
小さいけど、流通の企画進行中。乞うご期待。


「孤」ではなく「個」を

人間関係の基本は「個」と「個」との関係から生じる。この「個」がしっかりしていないと、人間関係、コミュニティ、社会などは、成立しない。しかし、「個の時代」とは言われつつも、実際は「孤の時代」。まずは「個」の確立が必要。


プライドを取り戻す

「個」を確立するためには、精神的なものや、経済的な自立もあるが、まずプライドを持つことが必要だ。しっかりとしたブライドを持った者同士は、相手を認め会うことが出来る。ただし、本物のプライドでないと、自分を認められない弱さから、相手を認めることが出来きず、相手を中傷しあうという事がしばしば起る。
そこで、 精神的なものや、経済的な自立と共に、プライドを取り戻す事が重要だと考えている。


地域に誇りを

関西人と関東人がお互いに、対抗しあったり、いがみ合っている事をよく耳にする。しかし、チャキチャキの江戸っ子と、コテコテの浪花っ子は、意外に気が合う。これは、本当に地域に対して誇りを持っている人同士は、お互いを認め合うことが出来るからだ。
なぜ、関西人と関東人がお互いに、対抗しあったり、いがみ合うのかというと、自分の生まれ育った地域の誇りを捨てたり、持てずにいるにもかかわらず、関西人や関東人に成りすましているからである。成りすましているだけに、イメージつまり幻想を大切にし、見た目のかっこよさとや、偽りのプライドで着飾ったり、それに翻弄される。そして、偽りのプライドを持つもの同士、磁石のN極とN極が反発しあうように、似たもの同士が違いを求めて反発しあう。
そこで、地域の誇りとなるものを、一つ一つ拾い上げ、本当の地域に対する誇りを取り戻すことを進めてゆきたい。
スポーツや祭りを通しての一体感や、環境問題など、様々な問題に対する真剣な討論などを通した地域コミュニケーションの活性化、地域の自慢となる特産品や文化の発信を支援します。
企画進行中につき、乞うご期待。


いろんな人に仕事を

体が悪い人、心に大きな傷を持っている人、事情があって親のいない人、定年やリストラで会社を辞めた人、家事が忙しくて働きに出られない人、交通事故に遭って後遺症に悩んでいる人、借金があって逃げ回っている人、障害がある人、才能があっても取引先が潰れたために仕事が回らないなど、それぞれみんな事情がある。しかし、人としてのプライドを持って生きていきたいにも関わらず、仕事と出会えない事が多い。そんな人たちが、生き生き働ける仕事と出会えるようにしたい。
同時に、無理をしないで生活できる環境を整備する必要がある。過労死してしまうような働き方を、他人からも、自らも、要求されない環境を実現したい。
企画進行中につき、乞うご期待。


ルーツを探る

「自分探し」という言葉が、この10年ばかり流行っている。その自分探しの方法の一つが「ルーツを探る」という行為である。自分の住んでいる土地や文化の歴史を探ることで、自分はどこから来て、どこに行くのかを見つけ出す事ができる。
歴史や、文化を探ることを支援します。

【コメント】自らの企画はうまくいかなかったのですが、取材中に出会ったツナミクラフトで事業化することができました。出会いは大切です。


「共存」—-自分が大切にしている人が生きていけるように

全ての人に、幸せを与えることは無理な話しである。せめて、身近な人、自分が大切にしている人が、いきいきと生きてゆけるようにと思う。
そのためには、まず自分を好きになり、次に自分にとって大切にしたい人を見つける事が必要だ。そして、既存のシステムに囚われず、自由な発想の元に、自分が大切にしている人を大切にできるしくみである輪を作り、その輪が重なり合って広がってゆくことこそが「共存社会」である。

「孤」から「個」そして「共存」まで、まだまだ道のりは長い。少しずつ、少しずつ、地道に食いつなぎつつ、進んでゆくしかない。

まだまだ、やる事がたくさんあるし、やりたい事が分散しているように見えるが、一つ一つの小さいことに力を入れてゆきます。

2003.10 東山高志